467条)が供託所に送付された後に,譲受人から払渡請求の手続を行う方法が定により仮差押えの執行がされた金銭債権の額に相当する金銭を供託した場合に,当該仮差押債務者が民事保全法第22条第1項の仮差押解放金を供託したものとみなされる部分のことを言います(民事保全法50条3項)。第三債務者がこの供託をしたときは,仮差押債務者が取得する供託金還付請求権の上に仮差押えの執行の効力が移行します。「みなし解放金」の供託と「仮差押解放金」の供託とは,前者が第三債務者が供託した供託金に係る供託金還付請求権の上に仮差押えの効力が移行するのに対し,後者は同供託金に係る供託金取戻請求権の上に仮差押えの効力が移行する点で違いがあります。 まず,本件について,別途,譲渡人から供託所に対する債権譲渡通知が必要になるのか否かについて検討します。 供託金の払渡請求権を譲渡した場合は,譲渡人から債権譲渡通知書(民法一般的です。 そして,譲受人が払渡請求をする場合は,譲渡人が利害関係人に当たると解されていることから,承諾書(債権譲渡通知書)に押印された譲渡人の印鑑につき,印鑑証明書を添付しなければならない(供託規則24条2項1号)こととされています。 本件和解調書を添付して払渡請求がなされた場合,和解調書の記載から債権譲渡がなされたことは明らかであり,裁判上の和解が確定判決と同様の効力を有する(民事訴訟法267条)ことから,本件債権譲渡契約が有効に成立したと判断することができます。 その結果,供託官は有効な債権譲渡の存在を知り得る状態になるので,譲渡人から債権譲渡通知が送達されたと同一の効果を認めても問題はないものと考えられます。したがって,別途譲渡人が債権譲渡通知書を供託所に送付することなく,本件和解調書をもって債権譲渡通知が送達されたと同一の効3 本件払渡請求の可否について162
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