供例集
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(印鑑証明書つき)」の内容を含んだ「還付を受ける権利を有することを証する二・三・⑴・イ・ア)。果が認められることから,本件和解調書を供託規則第24条第2項の「承諾書書面」として払渡請求に応じることが可能であると考えます。先例では,調停調書正本を添付して譲受人から払渡請求があった場合に,譲渡人から通知がなくとも,払渡しに応じて差し支えないとし,譲渡人からの印鑑証明書も不要としています(昭和46年度全国供託課長会同決議第22問)。なお,供託実務では債権譲渡通知を供託所に送付する際に,将来の払渡請求に備え,譲渡人の印鑑証明書も(法人の場合は資格証明書も)共に送付してもらう方法を勧めています。 また,債権譲渡通知の送達日とみなされる日は,和解が成立した平成22年8月10日ではなく,供託官が債権譲渡が存在を知り得る状態となった払渡請求日の平成22年8月20日が相当です。 次に,他の添付書面について検討します。 Cは,被供託者Bから債権譲渡を受けているので,被供託者の承継人として払渡請求をすることになりますが,みなし解放金の供託において被供託者Bの承継人が還付請求をするためには,その前提として,仮差押命令が取り下げられる必要があります。仮差押命令の申立てが取り下げられると,被供託者の承継人が有する供託金還付請求権は,仮差押えの拘束力から解放され,同承継人は直接還付請求をすることができ,その場合,還付を受ける権利を有する書面として,仮差押えの効力が取下げ・取消決定により失われたことを証する書面の添付が必要です。 なお,仮に,金銭債権の一部に対して仮差押えの執行がされ,金銭債権の全額について供託がされた場合には,仮差押金額を超える部分については仮差押えの効力が及ばず,弁済供託の性質を有する部分となりますので,この部分については,被供託者(の承継人)は仮差押えの取下げ・取消決定の添付を要せず,還付請求をすることができます(平2・11・13民四5002号通達第事例22 163

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