供例集
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 本件和解調書では,利息請求権については債権譲渡されていませんので,8月20日の前日までの利息については被供託者Bが請求することができます。それでは,具体的な金額はいくらになるでしょうか。 まず,供託金受入月の翌月の平成21年6月から平成22年7月までの元金500万円の利息【図の⒜の部分】はBに支払います。次に,平成22年8月分の利息は,元金300万円に対する利息と元金200万円に対する利息に分けて考える必要があります。 元金300万円に対する利息については,8月20日に債権譲渡通知が送達されたと考えるので,債権譲渡通知の前日である8月19日までの利息はBに,8月20日以降の利息はCに帰属します。しかし,供託金(元本)の払渡月には利息を付さないため,元金300万円に対する8月分の利息はそもそも発生しないこととなります。したがって,8月1日から8月19日までの元金300万円に対する利息【図の⒝の部分】は0円ということになります。 一方,元金200万円に対する利息については,Dの払渡請求が9月10日に認可されているため,供託金(元本)の払渡月の前月である平成22年8月分の利息が発生します。そして,8月分の利息は,債権譲渡通知の前日までの利息とそれ以降の利息に分かれて帰属することになりますので,8月19日までの元金200万円に対する利息【図の⒞の部分】はBに,8月20日から8月事例22 6 譲渡人(被供託者)Bが請求できる供託金利息について165

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