i則)はもちろん,民法,商法等の実体法,民事訴訟法,民事執行法等の手続 供託事務においては,供託関係法令(供託法,供託規則,供託事務取扱手続準法,その他,供託根拠法令に関しては,現在,法令数で約230法令,条文数では約660箇条を超えるといわれています。 このように供託根拠法令も多岐にわたり,供託に関わっている法務局職員はもとより,弁護士,司法書士等の法律実務家の方々についても,日々苦慮される場面も多くあると思います。 特に,金銭債権に対する債権譲渡,質権の設定による債権者不確知供託や差押え,仮差押等による第三債務者による執行供託,さらに,これらが競合し権利関係が複雑に錯綜した供託については,具体的にイメージすることが難しく,自らを顧みても事件を通してようやく理解することができたということも多々ありました。 そこで,本書は,東京法務局及び東京法務局管内地方法務局の供託事務に従事する職員が,日常の相談や事務処理の中の事例を通して,実務的な内容を,職員の視点から平易に解説しているものを掲載しました。 また,その内容につきましても,様々な事例を取り上げて紹介しており,事例に即した供託の基本書として,本書が,供託に関わる法務局職員,法律実務家の方々に若干なりともお役に立ち,活用していただければ幸いです。 なお,本書中,意見にわたる部分も出てきますが,それらについては,あくまでも筆者らの私見であることをあらかじめ申し添えます。 終わりに,本書の執筆に当たり,法務省及び法務局の諸先輩の方々が御執筆された図書を参考にさせていただいたことをお断りするとともに,本書の刊行に至るまでの間,種々御協力いただいた日本加除出版株式会社編集第一部の皆様方に対し,厚く感謝の意を表するとともに,その他,多くの方々に御配慮いただいたことにお礼を申し上げる次第であります。 平成26年10月東京法務局民事行政部供託第一課長 森 野 誠はしがきはしがき
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