英基
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24契約の成立・有効要件①契約の申込みとそれに対する承諾があること(成立要件)②契約のお互いの約束が対価関係(約因)になっていること説  明 英文契約書はなぜ作成され締結されるのか。答えは簡単です。後日争いが発生したときに,その解決策をあらかじめ契約書で合意しておけば非常にスムーズに解決することができます。契約自由の原則によって,契約内容は自由ですが,いったん合意すればそれは違法な内容でない限り裁判でも尊重されます。契約書でそんなに詳しく決めなくても後で話し合いでいくらでも解決できるのではないかとおっしゃる方もいるでしょう。それは考えが甘いです。 紛争解決を仕事にしている弁護士の立場から言うと,まさに「転ばぬ先の杖」として英文契約書をしっかりした内容で取り交わすことが重要です。人間は面白いもので,うまくいっているときは文句を言いませんが,いざ自分が不利になると適当に言い訳を考えて責任を回避しようとしますし,さらには相手方へ責任を押し付けようとします。弁護士はそのような人をたくさん見てきています。基本的には「性悪説」で考えるべきです。英文契約書が締結される他の目的としては,裁判になったときに有力な証拠となること,消費者取引については消費者保護の観点から契約が書面によらなければ有効とされない場合があることなどが挙げられます。⑴ 英文契約書が成立し法的に有効であるための要件 基本的には,以下の四つの要件が必要になります。これにより当事者間の合意が成立します英米法では,見返り(対価関係)がないと契約は法的拘束力を認められません1.英文契約書締結の目的2.英文契約書の成立・有効要件基礎知識編英文契約書の基本事項(目的・成立要件・効力)

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