子紛
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はしがき  vは,3手続の動向を把握しやすくするためである。第3章 子引渡裁判例の概観と実務的課題 第2章で紹介したこれまでの裁判例を解説し,各裁判例の守備範囲と裁判例の問題点を分析した上で,今後の裁判手続のあるべき姿について模索し,子引渡請求手続の実務的課題について検討したものである。第4章 国際間の子返還ハーグ条約実施手続と実務的課題 これまでの我が国の子引渡紛争解決手続の実績を踏まえて,ハーグ条約実施法の全体の手続を概観し,併せて運用上の問題点を子返還非訟手続のあり方を中心に分析し,適正な運用指針を提言することとしたものである。 本書が,子奪い合い紛争の解決に当たる当事者や関係者はもちろん,裁判所関係者や弁護士あるいは司法書士・行政書士,行政担当者を含む各種法律相談関係者,大学法学部・法科大学院関係者,マスコミ関係者等に多く利用され,実質的な「子の利益」が確保される子引渡請求裁判手続として,さらにいっそう発展するように祈ってやまない。 本書の裁判例の収集や一覧表の作成その他のまとめ等には,日本加除出版編集部の伊藤哲弥氏に大変お世話になった。またいつものとおり企画部長真壁耕作氏の援助があり,両名の貢献なくして1年以内という本書の早期出版はありえなかった。感謝したい。 なお,各章の冒頭に掲げたカット(挿絵)は,妻梶村慶子の作である。 2015年1月梶 村 太 市

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