第3版実務相続関係訴訟
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1推薦のことば このたび,田村洋三=小圷眞史編『実務相続関係訴訟─遺産分割の前提問題等に係る民事訴訟実務マニュアル─』が日本加除出版株式会社から上梓されました。 本書は,その書名のとおり,いわゆる遺産分割の前提問題等,相続に関する紛争のうち民事訴訟となるものについて,その実務上の問題点を解説し,これらの相続紛争に関係する実務家等の指針となるものとして刊行されました。 遺産分割手続を進めるに当たって生起する諸問題は,いずれも権利関係が複雑な上に,当事者間の深刻な対立を引きずって紛争が長期化し易い傾向があり,その解決のためには民事訴訟によらなければならないものが少なくありません。本書は,まず遺産分割と相続関係訴訟について概説した上,①相続人の範囲に係る訴訟,②遺産の範囲に係る訴訟,③遺言に係る訴訟,④遺産分割協議に係る訴訟,⑤遺留分減殺請求に係る訴訟,⑥遺産分割に関係するその他の訴訟(相続回復請求訴訟,葬儀費用をめぐる訴訟,相続財産の管理をめぐる訴訟,相続財産の収益をめぐる訴訟)の大きく6つに分類し,それぞれの訴訟類型ごとに,代表的なものについて,①訴訟の意義,②請求(訴訟物)と請求の趣旨,③請求原因,④主な抗弁,再抗弁等,⑤考えられる立証方法,⑥訴訟法上の問題点等について,具体的な記載例を掲げて分かりやすく解説しています。弁護士や司法書士等がこれらの訴訟に関わる際に有力な参考資料となるだけでなく,裁判官,公証人,書記官,行政書士,税理士,公認会計士等,相続紛争に関係する全ての方々にとっても有意義な書籍であり,類書も少ないことから実務家の方々にとって必携の書と言ってよいと思います。 監修・編著者である田村洋三弁護士と小圷眞史弁護士,また,著者の北野俊光弁護士,雨宮則夫公証人,秋武憲一教授,浅香紀久雄公証人,松本光一郎公証人は,それぞれ裁判官時代に相続関係の訴訟を担当され,理論と実務の双方について豊富な経験と高い識見を持った方々であり,推薦のことば

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