虐法
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⑵ 児童虐待防止法では,誰がなしたとしても子どもに対する「虐待」は禁3第1 子ども虐待対応の考え方1) 令和4年4月18日厚生労働省子ども家庭局家庭福祉課長通知「児童虐待対応における保護者の交際相手等への調査及び指導等の徹底について」。された虐待行為は「児童虐待」としては取り扱わないことになります。そして,「児童虐待」以外の虐待行為に関する相談は児童相談所よりも他機関(例えば,警察)の方が有効に対応できることが多いです。 なお,厚生労働省は,ここにいう「保護者」とは,「親権を行う者,未成年後見人その他の者で,児童を現に監護するもの」(児童虐待防止法2条柱書)であり,厚生労働省は,保護者について「親権者や未成年後見人であっても,子どもの養育を他人に委ねている場合は保護者ではない。他方で,親権者や未成年後見人でなくても,例えば,子どもの母親と内縁関係にある者も,子どもを現実に監護,保護している場合には保護者に該当する。」としています(「子ども虐待対応の手引き」4頁)。また,「① 児童との親子関係はないが,ほとんど同居といえる実態があり,児童の養育に一定の関与がある者 ② 児童との親子関係はないが,週に数日間や日中のみ・夜間のみなど,定期的に児童のいる家庭に滞在し児童の養育に一定の関与がある者 ③ 児童との親子関係はない親戚等であって,週に数日間や日中のみ・夜間のみなど,定期的に児童を預かるなどにより児童の養育に一定の関与がある者(保育事業等により業として児童を預かるもの等を除く)」,「であって,上記のように子どもを現実に監護,保護している者は保護者に該当し得ると考えられる」としています。1)止されています(同法3条)。多少ややこしいですが,児童虐待防止法上は,後述する通告等の対象として掲げられているのは,あくまで「児童虐待」であり,単なる子どもに対する「虐待」は一般的に禁止されてはいるものの,法律上の通告等の対象とはされていないということです。 また,海外では,誰がなした行為でも子どもに対する「虐待」は,「児童虐待」とすることが多いようです。アメリカでは,「虐待とは,『身体的虐待または精神的虐待(mental injury),性的虐待,ネグレクト(negligent

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