お墓にまつわる法律実務
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Q1.墓地の使用契約に関する約款(使用規制)の事例105墓地について適用される約款の内容について、述べます。 約款の主な構成要素は、一般的に次のとおりです。① 約款の目的 約款が何を目的として定められたかを示します。② 墓地使用者の条件 寺院墓地については檀家であることが前提となります。③ 墓地使用権の内容 墓所内に納められる焼骨の範囲(親族に限る等)等のほか、重要なのは使用期間に関する定めです。 使用期間については、これを「永代」とするものや、40年等の一定期間に限定するものがあります。ただし、「永代」との定めがあっても、管理料の不払い等による解除はありますので、注意が必要です。また、期間を限定するものについては、更新についてどのような定めがされているかの確認が必要です。④ 墓地使用者の義務 墓石を建てたり、納骨する際の届出義務のほか、使用料や管理料の支払義務があります。 使用料は、墓地使用権設定の対価であり、一括で支払うことが多いと思われます。「使用料」という名称とは限りません。 また、管理料は、使用期間中の墓地管理のために支払が必要となるものです。 金銭に関することですので、支払額や条件が明確であるか、十分な確認が必要です。⑤ 地位承継の手続 使用者の祭祀承継者が地位を承継した場合に行うべき手続についての定めです。⑥ 契約解除の要件 使用者及び管理者それぞれが、墓地使用契約を解除できる要件についての定めです。 使用者については、改葬目的での解除が多いと思われますが、その

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