お墓にまつわる法律実務
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2 改葬と分骨〜改葬②無縁墓からの改葬〜 QAQ2.改葬と分骨〜改葬②無縁墓からの改葬〜 117 解説1 引取り手がいない遺体の処理 引取り手がいない遺体には、二つの場合があり得ます。身寄りがなかったり、親族が引取りを拒否している等の事情で、身元は分かっているものの引取り手がいない場合と、そもそも身元が分からない場合です。 前者の身元が分かっている遺体については、死亡地の市町村長が、埋葬・火葬を行うとされています(墓埋法9条1項)。 後者のそもそも身元が分からない場合は、「行旅死亡人」として(行旅病人及行旅死亡人取扱法1条2項参照)、遺体の所在地の市町村が埋葬又は火葬するとされています(同法7条)。通常は、遺体の所在地の市町村は、死亡地の市町村と同じと思われますので、手続は基本的に同じです。2 火葬後の遺骨の取扱い 火葬後の遺骨の取扱いについては、法律には規定がありません。実務上は、市町村において安置所でしばらく保管した上で、遺族による引取りがなければ、無縁仏として共同墓地に葬られるのが一般的のようです。 引取り手がいない遺体については、市町村長が火葬を行い、無縁仏として公営又は寺院の墓地に埋葬されます。この遺骨については、親族であることを証明すれば引き取れる可能性があります。 長い間音信不通であった親族が無縁仏として公営墓地に埋葬されていたことが分かりました。どのような手続をとれば、遺骨を引き取ることができますか。

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