3 生前に祭祀承継者を指定する方法QAQ3.生前に祭祀承継者を指定する方法169 解説1 祭祀承継者の決定 祭祀承継者は、第1に被相続人の指定により、第2に指定がない場合には慣習により、第3に指定も慣習もない場合には家庭裁判所の指定により、定まるものとされています(民法897条)。 被相続人による指定方法について、民法には規定がありません。生前行為でも遺言でもよく、また、口頭、書面、明示、黙示などどのような方法でもよく、指定の意思が外部から推認されるものであれば十分だと理解されています。2 後日の争いになりにくい指定方法 被相続人の指定があったかどうか、あるいは時期が異なる二つの指定があったかなど、指定について争いが生じることを防ぐためには、明確な形での指定が望ましいといえます。また、書面による指定や、口頭であっても相続人などの関係者に伝わる形で指定をすることが必要です。後日、証明できるという意味でも、遺言書などの書面によって明示で指定することが良い方法だといえます。 祭祀承継者は、生前に、被相続人が指定することができます。指定の方法は、口頭による場合、遺言による場合のいずれでも可能です。 明示・黙示も問いません。しかし、後日争いにならないように、遺言などの書面で明確に指定することが望ましいといえます。 相続人の間で祭祀承継者を誰にするか揉めないようにするため、生前に祭祀承継者を決めておく方法はありますか。
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