お墓にまつわる法律実務
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194釈です。 ペットを飼う方にとっては、ペットの遺骨をお墓に入れることには抵抗がない方が多いかもしれませんが、ペットを飼われない方の中には犬や猫と同じ墓地に入るのは嫌だと考える方がいるのが現実です。そのため、寺院又は霊園等ではペットの遺骨を副葬品として納めることができないことになっているのが一般的です。使用規則に明確に定めていない場合でも「使用目的の範囲外」などとしてペットの遺骨を拒否することがあります。 しかし、近年は民営の霊園を中心に、墓地を供給する側でも、「ペットの供養を考えたい」、「ペットと一緒にお墓に入りたい」という方の希望を受けて、通常の墓地とは別に、ペットの遺骨を人間の遺骨と一緒に納めることができる墓地を用意している民間の霊園も多いようです。3 実際にペットと一緒にお墓に入るのか では、実際にペットの遺骨を納めることができる場合で、ペットの遺骨を人間の遺骨と一緒に納めるケースが多いかというと、そうではないようです。強い希望を持っている方を除いては、ペットの遺骨は副葬品としては納めずに、寺院又は霊園内に設置されたペット用の納骨堂や合祀墓で納骨・供養して、副葬品はペットの遺骨以外の物を選ぶケースが多いようです。 先祖代々受け継いできたお墓も、新しく購入したお墓も、現在の祭祀承継者のためだけのものではなく、今後受け継いでいく方のものでもあります。そのため、既にお墓に入っている方や、将来の祭祀承継者にとって、ペットの遺骨を納めることをどう評価するかはよく考えて、判断されている方が多いのではないでしょうか。 実際にペットの遺骨を納める場合は寺院等ともよく相談した上判断されることをお勧めします。第5章 お墓と相続

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