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3 アメリカにおけるドメスティック・パートナーシップ 制度の展開と同性婚19)2015年2月19日付朝日新聞朝刊4頁。20)辻村みよ子『憲法と家族』128頁(日本加除出版,2016),南和行『同性婚』166頁以下(祥伝社,2015)参照。21)中島美砂子「日本国憲法に『両性の平等』条項を起草した女性」LIBRA5巻7号24頁(2005)参照。関係についての質問に対する答弁として,「両性の合意とする現行憲法第24条のもとでは,同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない」「同性婚を認めるために憲法改正を検討すべきか否かは,我が国の家庭のあり方の根幹にかかわる問題で,極めて慎重な検討を要する」と消極的な見解を述べた19)。しかしながら,憲法第24条第1項は「婚姻は両性の合意のみ」に基づいて成立するというのは,必ずしも同性婚を排除したり,婚姻を異性間に限定したものというわけではない20)。憲法第24条の起草にあたったべアテ・シロタ・ゴードンによれば,本条は,「家」制度の下で,婚姻には,男30歳,女25歳までは「家」にある父母の同意が必要とされ,個人の自由な合意による婚姻が妨げられていた。そのため,本条の両性の合意とは,親の権力から両者の合意だけで婚姻できるという趣旨であり,必ずしも異性婚のみに限定した議論はなかった21)。したがって,憲法第24条の婚姻の自由は,憲法第13条,第14条との関係でも,あらためて同性も含むと解釈できるかが正面から議論されなければならない。1 アメリカでのドメスティック・パートナーシップの展開 1984年12月,カリフォルニア州バークレー市議会が,アメリカ合衆国で初めて,ドメスティック・パートナーシップ(Domestic Partnership)制度を採択し,翌年4月から,歯科診療給付が同性のパートナーで登録をした者には拡大されることになった。1987年には,健康保険プランの全てにおいて,市職員の同性パートナーにも健康保険給付がカバーされることになり,全米初第1 LGBTの法的保護とパートナーシップ制度7

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