26)1985年には同性カップルの婚姻はもちろん,法的な地位や権利を保障しようとする動きはほとんど見られなかったが,バークレー市やウェスト・ハリウッド市の先駆的な取組が婚姻許可状の発給という同性婚(Same-sex Marriage)への大きな潮流のマイルストーンとなったと評価されている(http://patch.com/california/westhollywood/west hollywood-celebrates-10000th-domestic-partnership-formed-city-hall(2015/06/13))。27)棚村・前掲注18)論文127頁参照。28)棚村・前掲注18)論文127頁参照。に登録者が1万組に達した26)。ウェスト・ハリウッド市でも,同性,異性を問わずに,18歳以上で婚姻関係になく,近親婚的な関係や,既存のパートナー登録をしていない者が,同居しお互いの共通の生活の必要を分担し,ドメスティック・パートナーの登録を25ドル支払って行うと,ドメスティック・パートナーとしての登録証明書の写しが交付される。ウェスト・ハリウッド市は,バークレー市と異なり,市の職員の15%が登録をしていたが,1991年10月の時点で,80%が同性カップルで,20%が男女のカップルであった27)。ウェスト・ハリウッド市は,人口380万人の西海岸の最大都市ロサンゼルスやハリウッドに近く,世界中からLGBTの当事者がやってくるため,このように多くの同性カップルが登録していると言える。ウェスト・ハリウッド市は,人口3万5000人で,比較的小規模の自治体と言ってよい。これに対して,カリフォルニア州で3番目にドメスティック・パートナーシップ条例をもったサンタ・クルズ市では,市の職員の2%がLGBTであり,同性カップルの登録は10%程度で,90%は男女のカップルであったという28)。 なお,人口3800万人のカリフォルニア州は,1999年にドメスティック・パートナーシップ法(Domestic Partnership Act:DPA)を制定し,2003年には,ドメスティック・パートナーシップ権利承認法となり,登録した同性カップルに法律上の配偶者とほぼ同様の権利が認められるようになった。登録要件は,18歳以上で,既婚や他のパートナーとの登録がなく,パートナーシップ関係に入る意思を有していることなどが求められる。州内務省に33ドルの登録手数料でドメスティック・パートナーシップ登録ができ,州の職員もドメスティック・パートナーシップの登録をすれば配偶者と同等の優遇措置を受第1 LGBTの法的保護とパートナーシップ制度9
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