同パ
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46)東京家審平成24.10.31LEX/DB2548369,東京高決平成24.12.26判タ1388号284頁。47)最三小決平成25.12.10民集67巻9号1847頁。48)棚村政行・判時2232号137頁(2014),同「医事法判例百選(第2版)」別冊ジュリ219号190頁(2014),同「性同一性障害者と法─民事法の立場から」『性同一性障害の医療と法』292頁以下(メディカ出版,2013)参照。49)2015年12月25日付読売新聞夕刊(大阪)14頁,2016年3月3日付読売新聞朝刊(大の子とされるのかが争われた。一審と二審は,性同一性障害により性別変更した者は生殖能力がないことが明らかであり,血縁関係がないため民法の嫡出推定規定は適用されず,その者は父となれないと判断した46)。これに対して,最高裁は,特例法第4条第1項の規定及び民法第772条以下の嫡出推定の趣旨に照らして,性別変更の審判を受けて婚姻した者に婚姻の主要な効果である嫡出推定の規定を適用しないことは相当ではないとして,夫が子の父となると判示した47)。この最高裁決定は,性同一性障害で苦しむ者にとって,家族を形成し親子としての絆を強めるもので,画期的なものと言える48)。 しかし,性同一性障害で心と体の性が一致しない人々は,職場や社会生活で,今なお様々な差別と根強い偏見に苦しんでいる。性同一性障害と診断され女性への性別適合手術を受けた京都市内の40代の経営者Bさんは,フィットネスクラブを運営するコナミスポーツから,戸籍上の男性として施設利用をするように求められ,人格権を侵害されたとして,2013年12月に,約480万円の損害賠償を請求する訴訟を提起した。Bさんには,未成年の子がいるため,性別変更審判を申し立てることもできず,店長にもその旨説明していたが,本社からは,戸籍上の性別である男性用の更衣室やトイレを使うよう求められ,結局,Bさんは男性更衣室は使えず,クラブに行くこともできなくなってしまった49)。 また,2015年11月には,性同一性障害と診断された40代の経産省職員Cさんが,職場で差別され人格権を侵害されたとして,国に処遇の改善と慰謝料など約1855万円を求める国家賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。Cさんも,男性として入省後の1998年から性同一性障害と診断され,ホルモン治療など序章 総 論阪)30頁。16

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