ハラ対
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参照)参照)第1 職場におけるハラスメントの具体的相談事例と法的責任47するなど,当該使用者の実情に応じて具体的な対応をすべき義務があるとされた事例。② 岡山地方裁判所平成14年5月15日判決(労判832号54頁。裁判例集■3 ⅰ上司である専務取締役による派遣会社の女性支店長2名へのセクハラ行為(うち1名に対し肉体関係を迫る行為,両名について性的な虚偽の風評の流布等)は,上司としての立場を利用して行われ,両名を退職に追い込むほどに職場環境を悪化させたもので,不法行為に当たる,ⅱ代表取締役による上記支店長両名に対する言動(再婚をしないのか,子どもはまだか等)は,不快感を持つものであるとしても,違法行為とは解せない,ⅲ専務取締役の行為は,会社の内部で,会社の役員としての立場を利用してなされたものであり,代表取締役の1名に対する一部行為は業務の執行中になされたものであるとして,会社の使用者責任が認められた,ⅳ女性支店長2名に対して行われた降格・減給処分は就業規則上の根拠がなく,かつ,減給の程度が労基法に違反すること,専務取締役の行為・言動を放置し,職場環境の悪化を放置したこと等に,違法性ないし過失があるとして,会社の不法行為責任が認められた,ⅴ専務取締役の行為による慰謝料として,肉体関係を迫った支店長に200万円,他方に30万円,会社固有の不法行為による慰謝料として各50万円,及び,各々に未払給料相当損害金,退職後1年分の逸失利益,弁護士費用の損害賠償請求が認められた事例。③ 広島高等裁判所平成16年9月2日判決(労判881号29頁。裁判例集■5 ⅰ使用者は,良好な職場環境を整備すべき法的義務を負い,これを怠った結果セクハラを招いた場合,従業員に対する不法行為責任を免れない,ⅱ「雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保に関する法律」の改正法が施行され「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針」(労働省告示第20号)が適用された日以降,セクハラ防止のための適切な措置を講じることが一層強く要請される,ⅲ会議の席上でのセクハラの注意,防止への指示にもかかわらず,

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