ハラ対
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6参照)時1681号112頁,労判756号33頁。裁判例集■7参照)第2章 ハラスメントの法律相談の対応48出席者の管理職が性的中傷行為に及んだことからみると十分な予防効果がなかったものとされ,公的機関から具体的な指摘を受けた以上,セクハラを実際に防止する,より強力な措置を講じる必要があった,ⅳ適切な措置を講じていれば本件事態のようなセクハラにはならなかったと推認されるから,従業員の個人的問題に帰することは相当でなく,控訴人会社の職場環境整備義務違反の不作為が本件セクハラの一因になったと認められるとして,使用者に対する不法行為責任が肯定された事例。④ 秋田地方裁判所平成9年1月28日判決(判時1629号121頁。裁判例集■ 「強制わいせつ行為の被害者の言動としては,通常でない点,不自然な点が多々存在する」ということを理由として,大学教授が出張先のホテル内において,同行した研究補助員の女性に対して強制わいせつ行為をしたとの主張が認められず,同研究補助員の教授に対する慰謝料請求が棄却された事例(なお,大学教授の女性に対する名誉毀損を理由とする損害賠償請求が一部認容された)。⑤ 仙台高等裁判所秋田支部平成10年12月10日判決(判タ1046号191頁,判 上記④の控訴審判決。「職場における性的自由の侵害行為の場合には,職場での上下関係(上司と部下との関係)や同僚との友好的関係を保つため抑圧が働くために,これらの抑圧が,被害者が必ずしも身体的抵抗という手段を採らない要因として働くであろうということが,研究の成果として公表されている」,「性的被害者の行動パターンを一義的に経験則化し,それに合致しない行動が架空のものであるとして排斥することはできない」と述べ,原審判決を破棄し,出張先のホテル内において大学教授に強制わいせつ行為をされたとする研究補助員の女性の同教授に対する損害賠償請求が認容された事例。

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