ハラ対
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初版 はしがきiii 第二東京弁護士会の両性の平等に関する委員会(以下「当委員会」といいます。)は,1989年に発足して以来,労働の場あるいは家庭の場における個人の尊厳と両性の平等をテーマとして,各種の活動を行ってきました。各種の活動の中でも,セクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」といいます。)については,当委員会が力を入れて取り組んできた分野です。「セクハラ」という用語がなかった時代の被害者による法廷闘争や企業との交渉等の積み重ねにより,1997年に,男女雇用機会均等法に職場におけるセクハラに関する規定がおかれ,その後の2006年の改正により事業主に対するセクハラの予防と適切な対応が義務付けられることとなり,「セクハラ」という用語自体は社会一般に知らない者はいないほどに浸透しました。 しかしながら,厚生労働省に委託された労働政策研究・研修機構が実施した「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査」(平成28年3月1日記者発表)によれば,職場における女性のセクハラの経験率は28.7%,正社員の場合は34.7%に上るとのことです。セクハラの態様で最も多いのは,「容姿や年齢,身体的特徴について話題にされた」(53.9%)であり,被害を受けた際の対応としては,「我慢した,特に何もしなかった」が最多の63.4%を占めました。上司や会社の窓口へ相談した人は13.5%である一方で,その後の対応状況については,22.7%の人が「特段の対応はなかった」と回答しており,「上司や同僚から嫌がらせを受けた」との回答が5.7%,「解雇,退職を強要された」との回答が3.6%でした。この調査は,未だに職場におけるセクハラ被害に遭う女性が多いこと,多くの被害者は,自分の身に起きたことがセクハラと認識しながらも,仕事を失ったり,職場での人間関係が損なわれることをおそれ,我慢して仕事を継続していることを示しています。また,いわゆるマタハラなど妊娠等を理由とする不利益取扱い等の経験率は21.4%であり,その態様としては,「『休むなんて迷惑だ』,『辞めたら?』など,妊娠・出産・育児関連の権利を主張しづらくするような発言をされた」が47.0%と最も多いこと,その行為者は男性初版 はしがき

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