7_家事執
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i家族法に関する法改正には目覚ましいものがあります。本書は,平成29年の初版出版以後令和6年の民法改正に至る家族法に関連する改正を盛り込むことを意図するものです。本書により家族法の現在位置を知っていただくことができると思います。執筆は,日本弁護士連合会家事法制委員会の委員です。第1部第1章と第2部第1章は,保全総論と執行総論に当てられています。保全総論は,家事保全,人事保全および民事保全それぞれを説明し,家事保全に類似する制度として令和3年の民法改正による相続財産管理人制度にも言及しています。平成23年の家事事件手続法により創設され,近時,実務上確たる役割を果たすに至った子ども手続代理人についてもここで記述しています。執行総論は,噛めば噛むほど砂の味がする民事執行法についての分かりやすい見取図です。財産開示執行および令和元年の第三者からの情報取得執行についてもここで解説しています。令和6年の民法改正により養育料に係る請求権に一般先取特権が認められたことによる民事執行法の改正についても触れています。さらに,両章に令和5年の家事事件手続法等の改正による裁判手続のデジタル化に関し保全と執行についての説明をしました。第1部第2章と第2部第2章は,保全各論と執行各論であり,本書のメインディッシュともいうべき部分です。保全各論では,本文中に申立ての趣旨の記載例や書式例を掲げ,執行各論では多くの書式例をあげ裁判所等のウェブサイトを紹介することにより読者の便宜を図っています。保全各論には,令和4年の改正による氏名・住所等の秘匿制度についてコラムを設けました。また,子の引渡しや親権者変更について,令和6年の民法改正で規定された共同親権制度のもとでの考え方についても言及しています。令和5年のDV防止法の改正を含む同法の保護命令もここで説明しています。執行各論は,民事執行の範囲にとどまらず,成立した調停等の実現という意味で,戸籍の届出や戸籍の訂正,年金分割,登記手続についても説明しています。もちろん,典型的な執行について最も多くのページを割き,その中で扶養義務等に第2版の刊行にあたって

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