(イ)自益信託 信託の三当事者を同一人が兼ねることもできる。同一人が委託者及び受益者を兼ねている場合を自益信託という。 民事信託を設定する場合,税制上の理由などから,まず信託契約による自益信託を設定することが一般的である。(ウ)自己信託(信託宣言) 委託者と受託者を同一人が兼ねている場合を自己信託(信託宣言)という。自己信託は,委託者が自分自身に対し信託を行うことであるが,同一の法人格の間で法律行為を行うことはできないため,書面による意思表示という形式を取ることによって効力が認められる。 自己信託(信託宣言)は,財産の隠匿などに悪用される危険性があるため,書面による意思表示は,公正証書または公証人の認証を受けた書面もしくは電磁的記録によって行わなければならないなどの厳格な要件が定められている。5)5)信託法3条3号2 信託の基本的な仕組み 5委託者委託者委託者=受益者受託者受益者受託者受益者
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