5_信託書
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2)第1章14頁前掲注20参照【基本事例】 2 検 討  31 任意後見制度の場合,任意後見人は親族が就任することが多いが,任意後見監督人には専門家の第三者が選任されることが一般的である。そうすると,親族である任意後見人には報酬を支払わずに済ますこともできるが,専門家が選任された任意後見監督人からは報酬を請求されることになる。その額は,本人の保有資産額にもよるが月額1万円から3万円といわれている。 仮に,本人があと20年は生存することを想定すると,そのランニングコストは大きな負担になる。⑶ 従前の生活の維持 後見制度の利用をしない場合でも,従前の本人の生活を変えずに,なおかつ,本人の財産を保護するために,民事信託の利用が考えられる。 民事信託を利用し,信頼できる子どもに受託者になってもらうことによって,本人は財産の管理の手間から解放され,また,受託者への報酬を無償または低額に設定することが可能となる。 なお,民事信託においては,裁判所の一般的な監督は受けることはないため,本人が希望する者を受託者として指定することができる。⑷ 信託制度における財産の長期的管理機能の活用 信託は財産管理制度であるが,民法の他の財産管理制度(代理,委任,寄託等)にはない独自の機能がある。2)そのうち,本スキームでは,財産の権利者を高齢者から高齢者以外の者に転換することにより,財産の長期的管理を実現するものである。⑸ 課税関係 信託においては,受益者等課税(パススルー課税)が採用されている。そのため,所得税は受託者ではなく受益者に課税されることになる(所得税法13条)。 本スキームでは,委託者と受益者が同一人となっている自益信託を採用しているので,信託の存続期間中には,受益者に対し贈与税等の課税はない。 ただし,信託終了時には,信託財産が法定相続人に承継されるため,法定相続人には相続税が課税されることになる(相続税法9条の2第4項)。

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