3 基本的事項及びスキーム図 なお,子どもAの心身の状況によっては,財産管理のみならず身上監護にも配慮する必要も出てくるため,法定後見制度,任意後見制度を併用することが有用である場合も多いであろう。⑷ 特定贈与信託 Aが相続税法の特定障害者に該当する場合,信託会社等を受託者として信託を行うことにより,3000万円または6000万円を限度に贈与税が非課税となる特定贈与信託という相続税法の特例がある(相続税法21条の4)。 この特定贈与信託を行うと,贈与税の非課税枠を利用しながら,受託者が特定障害者に金銭を定期交付することができ,また,予め信託行為に定めておくことにより,残余財産を社会福祉施設等に帰属させることもできるようになる。⑴ 信託目的 委託者Xの亡き後に,子どもAの財産管理の負担をなくすこと,子どもAが現在と変わらぬ生活を送り続けられるようにすること。⑵ 信託行為 相談者Xと甥Bとの間の信託契約⑶ 信託財産 不動産,金銭⑷ 当事者等 ア 委託者 相談者X イ 受託者 当初受託者 相談者Xの甥B 後継受託者 相談者Xの甥C ウ 受益者 受益者 相談者X(当初,自益信託) 第二次受益者 子どもA 帰属権利者 社会福祉法人E エ 受益者代理人 弁護士D【事例1】 3 基本的事項及びスキーム図 95
元のページ ../index.html#55