農承
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 司法書士高田タロウは、近隣で農業を行っている大山五郎(45歳)より、次のような相談を受けた。 大山五郎さんは、家族で代々農家をやってきた。現在は、母と妻と3人で農業を行っており、近所の方数名にパートとして手伝ってもらっている。なお、弟と妹は会社員で、農業には携わっていない。 農作物はナス、キュウリ、トマトなど施設園芸作物を幅広く栽培している。JAの他、地元のスーパーに納品しており、販路も拡大してきているので今後、農業経営も大きくしたいと考えている。しかし、親族は農業から離れており、将来、誰が農業を承継してくれるのか不安に思っている。事例4 私の家族は代々農家をやってきましたが、弟や妹は都内で会社勤めをしています。父も亡くなり、農家をやっているのは母と私と妻だけなのです。学生の息子もおります。後を継いでくれるとありがたいのですけど、その意思はないようで、イラストレーターを目指して専門学校に通っています。今まで、本人から農家を継ぐような話は聞いたことがないです。 そうですか。せっかく大きくなさった農業を、今後どう維持、発展させていって、それを誰に継がせるか悩んでいらっしゃるのですね。事例4 個人農家の法人化による承継の検討司法書士 高田大山215概 要個人農家の法人化による承継の検討

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