10_類信
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22つの方式第2 条文の解釈/3 法55条 35信託法3条は,当初から被担保債権の債権者とは別の第三者である受託者のために担保権を設定することを正面から認めたものであるが,まず,債務者が被担保債権の債権者のために担保権を設定し,次に,債権者が委託者となって,受託者に対し,担保権を被担保債権と切り離して信託譲渡することも,同様に認められると解される(図3)。先に述べた方法は直接設定方式(図1),上記の方法は二段階設定方式信託法において,セキュリティ・トラストに関する規定は,3条のほかに,55条がある。信託法55条は,受託者が担保権を実行する場合に関する規定であり,受託者が,信託事務として,担保権の実行の申立てをし,売買代金の配当又は弁済金の交付を受けることができる旨定められている。セキュリティ・トラストにおいては,担保権の帰属と被担保債権の帰属とが分離するが,民事執行法上,被担保債権の債権者でない担保権者が担保権図3 セキュリティ・トラスト(二段階設定方式)債権担保権信託譲渡担保権債権者(委託者・受益者)担保権者〔第1段階〕信託契約受益権(受託者)担保権者〔第2段階〕(図3)と呼ばれている。3法55条債務者担保権設定者

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