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第2 特定商取引法の特色と概要  7(2)過量販売解除権(訪問販売と電話勧誘販売のみ) 訪問販売又は電話勧誘販売により通常必要とする分量を著しく超える商品等の契約を締結したときは,購入者は,個別の勧誘方法の違法性を証明することなく販売契約を解除できます(特商法9条の2,24条の2)。この場合の解除権の行使期間は,契約締結の日から1年以内です(特商法9条の2第2項,24条の2第2項)。 なお,電話勧誘販売による過量販売解除権は,平成28年改正(施行日は平成29年12月1日)により認められたものです。項等。これらの規定の施行日は,公布日である令和3月6月16日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日)。 クーリング・オフの対象となる契約は,①訪問販売,②電話勧誘販売,③連鎖販売取引,④特定継続的役務提供,⑤業務提供誘引販売取引,⑥訪問購入です(特商法9条,24条,40条,48条,58条,58条の14)。 なお,通信販売にはクーリング・オフはありませんが,類似の制度があり,商品引渡し又は特定権利の移転を受けた日から8日間は申込みの撤回又は売買契約の解除ができます(特商法15条の3第1項)。ただし,事業者がこれと異なる特約をしている場合,当該特約(例えば,クーリング・オフの排除特約)に従うことになります(同項ただし書)。また,返品に関する費用は,売主ではなく,購入者の負担となります(特商法15条の3第2項)。 また,送り付け商法(ネガティブオプション。注文していないのに一方的に商品を送り付ける商法)については,その性質上クーリング・オフはありません。この点につき,旧特定商取引法59条1項では,商品の受領日から14日間の保管後は処分等が可能である旨規定していましたが,令和3年改正特定商取引法59条1項では,送付した事業者は返還請求をすることができないことに改正されたため,消費者が直ちに処分すること等が可能となりました(改正同条は令和3年7月6日から施行済み)。

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