8 第1章 消費者契約法,特定商取引法,割賦販売法の関係(3)不実告知等の取消権 ①訪問販売,②電話勧誘販売,③連鎖販売取引,④特定継続的役務提供,⑤業務提供誘引販売取引においては,上記のクーリング・オフのほかに,事業者が,勧誘の際に,⒜不実のことを告げ(不実告知),又は⒝不利な内容をわざと説明しないこと(故意による事実不告知)により,消費者が誤認して契約をしたときは,当該契約を取り消すことができます(特商法9条の3,24条の3,40条の3,49条の2,58条の2)。この取消権は,誤認に気付いた時から1年間行使しないときは時効消滅し(平成28年改正により「6か月」から「1年間」に伸長),また,契約締結の時から5年を経過したときは行使できなくなります(特商法9条の3第4項等)。 なお,通信販売と訪問購入には,この取消制度はありません。ただし,通信販売について,令和3年改正特定商取引法により,定期購入でないと誤認させる表示等によって申込みをした者に,当該申込みの取消しを認める制度を新設しています(令和3年改正特商法15条の4。同規定の施行日は,公布日である令和3月6月16日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日)。(4)中途解約権(連鎖販売契約と特定継続的役務提供契約のみ) 消費者はクーリング・オフ期間の経過後も将来に向かって連鎖販売契約又は特定継続的役務提供契約を,理由を問わず解除(中途解約)することができます(特商法40条の2,49条)。(5)適格消費者団体による差止請求 訪問販売,通信販売,電話勧誘販売,連鎖販売取引,特定継続的役務提供,業務提供誘引販売取引,訪問購入については,消費者の被害の発生又は拡大を防止するため,適格消費者団体は,事業者が不特定かつ多数の者に対し,①契約を締結のための勧誘をする際に不実を告げ,又は故意に事実を告げない行為,②契約を締結するためやその解除を妨げるために威迫・困惑させる行為,③消費者に不利な特約や契約解除に伴う損害賠償額の制限に反する特約を含む契約の締結行為を,現に行い又は行うおそれがあるときは,事業者
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