4_家契
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 家族民事信託は、この5年の間に大きく変化した。 家族信託契約に関しては、信託口口座開設金融機関が、その実務の監視役となり、事実上家族信託支援業務を担う者のかじ取りを行っている。さらに、裁判所は、複数持ち込まれる家族信託に関する訴訟において家族信託支援制作業務にメスを入れ始めた。 その一方で、近時、家族民事信託の相談が増加している。 家族信託契約が代替している成年後見制度が、利用にメリットがない、利用の目的が達した後も永遠に続き後見人に報酬を払わなければならないなどと声高に言われて、その利用が低迷し続けているのも大きな要因のようである。このように、認知症を心配する高齢者が増加し、後見的機能の信託が注目されているのであるが、やはり信託の確かな財産承継機能も心強いのであろう。 本書では、ここに来て大きく変わった金融機関の信託口口座開設にあたっての新しい取扱いを説明し、かつ、最近の複数の裁判例をも取り入れながら、家族信託支援業務を担う者が留意すべき事柄を改めて説明する。 その中で、筆者が取り入れている「委託者代理人(制度)」を紹介する。 委託者代理人とは、当初委託者が掲げた信託設定目的達成のために、委託者の権利に関する行為をする権限を有するものである。この者を登場させることになったのは、最近の信託行為に、これまでの実務では見られなかった、「委託者の地位については、相続により承継しないが、受益権の移転とともに新たな受益者には移転する。」と定める条項例が増えているためである。 ご承知のように、信託契約では、「委託者の地位は相続により承継しない。」という条項を定めないと、「委託者の地位を相続人に当然承継移転する。」と定めた場合と同様、委託者の地位はその相続人に当然承継される i改訂にあたって

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