主文例からみた請求の趣旨記載例集
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第1章第1 金銭請求関係訴訟Ⅰ 通常訴訟1* 請求の趣旨において,「金○○円を支払え」といった記載がなされることも少なくないが,「金」という表記は必ずしも求められているわけではなく,単に「○○円を支払え」との記載で足りる。そこで,本書においては,以下後者の方式によることとする。 利息とは,元本を利用する対価であり,元本の額に応じ一定の割合(利率)で支払われる。利息の発生には原則として利息支払の合意が必要であるが,合意がないときでも,商人間において金銭の消費貸借をしたときは,貸主は,後述の商事法定利息を請求することができる(商法513条1項)。また,商人がその営業の範囲内において他人のために金銭の立替えをしたときは,その立替えの日以後の商事法定利息を請求することができる(商法513条2項)。 遅延損害金とは,履行遅滞に基づく損害賠償金(民法415条)であり,第1 金銭請求関係訴訟事 例 友人のYにお金を貸したが,返済してくれないため,元金と遅延損害金の支払を求めます。請求の趣旨 被告は,原告に対し,○○円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年○分の割合による金員を支払え。解 説1 利息と遅延損害金⑴ 利息と遅延損害金の意義給付訴訟

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