11_心問題
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A1-2妻が子どもたちに会いに来ることは広く認めるつもりです。妻は自分で家族を裏切りながら,私がDVであると主張して,面会交流には消極的なようです。私の方が明らかに監護者として適格ではないでしょうか。2 選択すべき手続⑶ 居所秘匿の可否居所を秘匿した状態でも手続は可能です。監護者指定の審理にあたり,予定される監護環境について説明する際は,自宅や就業先,子らの通学・通園先等が相手方に特定されないよう気をつけつつ,居所の間取り,周辺環境(最寄駅からの距離,近隣の教育施設や医療機関,公園,図書館,児童館等の所在や距離等)など実質的環境が分かるよう情報を開示すれば足ります。迅速性が重要であること,相手方とは対等な話合いが成り立つ可能性が低いことから,監護者指定及び子の引渡しの審判及び審判前保全処分を選択することが一般的には妥当です。最終的に子の引渡しの強制執行まで至ることも考えられますが,子どもたちと暮らしたいのであれば,この段階で諦めないことが大切です。夫からの質問妻は自分で子どもたちを置いて出ていったのです。長女の出産後間もなくうつになっていましたから,もともと育児に向いていないのでしょう。妻には頼れる親族や友人もおらず,不貞をしているようですから,妻に子どもたちを渡すとどんな環境になるか,考えるだけで恐ろしいことです。妻には絶対に子どもたちを渡せません。私が監護します。監護権は複数の要素を総合して判断しますので,結果を柔軟にとらえるようにしましょう。設例1 男性からのDVと監護権・離婚・面会交流  133早く,離婚に先立って監護者指定・子の引渡しの手続をとることが肝要です。

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