幼法
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9Q1 賃貸借契約書締結の注意点(民法400条))を理由に賃貸借契約が解除されるおそれがあります。これは,各地方自治体が定める「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準に関する条例」(以下「基準条例」といいます。)や「高齢者,障害者等が円滑に利用できる建築物の整備に関する条例」(以下「バリアフリー条例」といいます。)に基づく増改築であっても異なりません。 このため,増改築後の平面図を貸主に提示し,当該増改築に対して書面による承諾(賃貸借契約に別の定めがある場合には,その定めに従った方法によります。)を得ておく必要があります。2 用途変更に関する取決め 既存の建物に新たに保育園を設置する場合,建物の使用用途は「保育所」になっていません。このため,面積が200㎡を超える場合には,建築基準法で定められた用途を変更するための確認申請が必要となります。この確認申請手続は,建物の所有者である貸主名義で行う必要があり,貸主の協力が不可欠となります。 そこで,後日,貸主の協力を得られなくなるような事態を回避するため,貸主との間で早い段階から用途変更の確認申請に関して(用途変更手続の委託,費用負担,用途の回復など)合意しておく必要があります。3 建物使用に関する取決め 候補物件が事業所用の建物の場合,事業の用途に供されることを前提に,館内規則によって以下のことが禁止されている場合があります。 ・貸室内に調理室を新設すること ・開館/閉館時間外の事業運営をすること ・生き物(小型の魚,昆虫などを含む。)の持込み,飼育をすること ・案内板に貸主名以外の名称を使用すること ・所定の案内板以外の看板・案内板を設置すること しかし,これらは保育サービスの充実のために,保育園を開園するうえで重要な要素となり得ます。 そこで,事業所用建物の一部に保育園を開園するためには,館内規則を慎重に確認し,必要に応じて,貸主との間で館内規則の一部の適用を除外する旨の取決めをしておく必要があります。

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