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説解7事件を起こした「問題教員」と接するほうが圧倒的に多く、このままでは教育現場の実情を誤って認識している弁護士がスクールロイヤーを担当するリスクが高い。現状ではスクールロイヤーにふさわしく教育現場の実情に通じた弁護士は非常に少なく、現職教員と接する機会も明らかに不足していると言わざるを得ず、弁護士会は制度導入に向けて早急に現職教員と接する機会を増やすべきである。教えてください。関与が利益相反行為とならないように注意すべきです。特に、いじめや教員の労務問題などは、スクールロイヤーの立場上、利益相反になりやすいことから注意する必要があります。また、学校教育法37条4項の解釈も問題になります。  スクールロイヤーの最大の目的は、教育紛争を適切に解決し、子どもの権利を保障することだが、あくまでも学校設置者の委託を受けて教育紛争に関与する立場であるため、紛争の当事者関係において子どもはスクールロイヤーの「相手方」になる可能性が高い。しかし、弁護士は弁護士法及び弁護士倫理規程により「利益相反行為」は原則として禁止されている(弁護士法25条・弁護士職務基本規程27条)ため、スクールロイヤーが教育紛争の解決において学校の利益よりも子どもの利益を優先する序章 スクールロイヤー12 前述の日弁連の意見書でもスクールロイヤーは学校側の代理人として活動することは想定されていない(日弁連・前掲注10)4〜5頁参照)。実際に、教育紛争が裁判で争われるとしても、裁判が終結するまでに子どもが学校を卒業してしまうことも多く、保護者が裁判での解決を希望していても、友人など人間関係や学校での学習環境を考慮して子ども自身は裁判を希望しない場合も多い。スクールロイヤーと利益相反行為Q3スクールロイヤー制度を導入するに当たって、注意すべきことをA3教育紛争は利害関係が複雑であることから、スクールロイヤーの

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