xviii【債権者不確知による弁済供託の還付】事例43 金銭債権が甲から乙に譲渡されたのですが,債権譲渡の効力に疑義があるとして,被供託者を甲又は乙とする債権者不確知による弁済供託がされています。その後,その供託金の還付請求権の帰属をめぐる甲と乙との間の訴訟において乙が勝訴したため,乙から還付を受ける権利を有することを証する書面として当該訴訟の確定判決の正本を添付した還付請求がありました。 ところが,当該訴訟の口頭弁論終結前に,甲が訴外丙に還付請求権を譲渡し,甲から供託所に対して,その旨の譲渡通知が送達されています。 この場合,乙の還付請求は認可されるのでしょうか。 【供託の当事者が死亡した場合の払渡し】事例44 父が亡くなり,遺品を整理していたところ,被供託者として父の名が記載目 次を振り込まないでほしい」 丙: 「現在,乙と離婚の調停をしているので,乙から請求があっても,乙には賃料を支払わないでほしい」 既に発生している賃料については支払済みですが,今後発生する賃料については,誰に支払えばよいか判断することができないため,債権者不確知による供託をしたいのですが,可能でしょうか。 なお,賃貸借契約の締結時には,乙が建物Aの所有権登記名義人であることを確認していますが,現在の所有権登記名義人が誰であるかは調べていません。また,乙丙間の離婚調停の進捗状況や内容についても,何も調べていません。 2933013013013023053063061 払渡手続 2 供託物の還付手続 3 供託物の取戻手続 4 供託物払渡請求方法 5 電子情報処理組織による払渡請求 6 事 例 Ⅰ 弁済供託第3 供託物の払渡手続
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