xxiii【債権者不確知供託の還付請求権に仮差押え及び差押えが競合し,その後,仮差押えが取り下げられた場合の還付】事例66 供託者は,Xに対し,金銭債権(100万円)の支払債務があるところ,同債務に確定日付のある債権譲渡通知書(譲渡人X,譲受人Y)が送達されたが,同債権には譲渡禁止の特約があることから,譲受人の善意・悪意が不明であり,供託者の過失なくして真の債権者を確知することができないとして,平成29年8月10日,被供託者をX又はYとする供託をした。 上記供託金還付請求権に対し,平成29年8月21日,Xを債務者とする仮差押命令(仮差押債権額80万円),さらに,同月25日,Xを債務者とする差押命令(差押債権額50万円)が送達されたが,保全裁判所から同月30日,仮差押命令を取り下げた旨の通知書が送達された。 差押債権者は,還付請求権がXに帰属する旨のYの承諾書があれば,供託金50万円の取立てをすることができますか。 416【債権者不確知供託に滞納処分による差押えの表示がある場合の被供託者からの還付】事例67 AがB(個人)に対して負う譲渡禁止特約付売掛金債権につき,BからCを譲受人とする債権譲渡通知書がAに送付されましたが,債権の帰属について当事者間に争いがあり,真の債権者を確知することができないことから,被供託者をB又はCとして民法494条に基づき供託された供託書の備考欄に,Bを差押債務者とした滞納処分庁による差押えの表示がある場合に,BC間でBが還付を受ける権利を有することを確認した確定判決及びBの印鑑証明書(3か月以内に発行されたもの)を添付したBからの還付請求に応じることができるでしょうか。 419【会社法141条2項,同法142条2項に基づく供託の払渡し】事例68 私は,保有する譲渡制限株式を他人に譲渡するため,株式会社Aに対し譲渡承認を求めた株主ですが,会社は全株式について譲渡を承認せず,対象株目 次相手方との和解が成立したため,供託受託により供託金の還付をしようと思います。供託金の還付請求をするためには,資格証明書と印鑑証明書が必要とのことですが,具体的に何を用意すればよいでしょうか。 411
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