な供事
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1 総 説事 例2 賃借人甲は月10万円で賃借中の建物について,近隣同種の物件の家賃を調べたところ,5万円程度の家賃であったため,現在の家賃は高いと考え,賃貸人乙に対し,家賃を5万円とするよう家賃の減額請求をしました。賃貸人乙からは5万円にする減額には応じられないが,8万円に減額する旨回答があり,8万円で支払の請求がありました。賃借人甲は8万円では納得できなかったので,自分が相当と考える金額5万円を賃貸人乙に提供したところ,受領を拒否されました。賃借人甲は受領拒否による弁済供託をすることができますか。回 答【賃料の減額請求と弁済供託】 賃借人甲が自分が相当と考える減額された金額(5万円)を賃貸人乙に提供しても,債務の本旨に従った弁済の提供とはいえず,これが受領拒否されたからといって,供託することはできません。解 説 借地借家法には借賃増減請求権について規定されており,「建物の借賃が,土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により,土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により,又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,当事者は,将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」とされています(借地借家法32条1項)。 しかし,増減を請求してもそれが認められるかどうかは当事者の協議によ26第2 供託の申請手続

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