な供事
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iはしがき 供託法は,明治32年に制定・施行され,爾来幾度となく改正が重ねられていますが,条文数は,枝番を含めても20条に満たない短い法律です。また,具体的な手続を定めた供託規則も65の条文から成っていて,比較的簡素なものです。ところが,供託所が取り扱う供託の種類は,弁済供託,担保保証供託,執行供託,保管供託,没収供託の5種類に分けられ,社会の様々な場面で利用されており,供託の根拠となる法令は672か条にも及ぶとされています(平成29年1月1日現在。法務省HP)。そのために,供託手続に関係する人にとっては,供託手続が利用できるのか否か,利用できるとしてもどのように手続をすればよいのか悩むことも多く,最近では,供託手続を分かりやすく説明した解説書も出版されるようになってきました。日本加除出版株式会社からも,これまでに「新版よくわかる供託実務」や「供託実務事例集」などが上梓されています。 本書は,大阪法務局ブロック内の供託所において,供託事務を担当している職員が,実際に経験し,照会を受けた事例を基礎として,新たに「なにわの供託事例集」として解説するものです。事例に基づいているために,供託の可否や手続について,供託手続を利用しようとする人が実際に疑問に思ったことを取り上げており,一般的な解説書では物足りないと感じられる点についても,ストレートに回答した上で,関係図や手続の流れ図などを織り交ぜながら丁寧に解説されています。また,事例ごとに供託を申請する場合のOCR用供託書の記載例が示されていますから,これから供託を利用する際に大いに参考になるように工夫されています。 ですから,供託事務を担当する法務局職員に本書を活用してもらいたいのはしがき

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