要)92第Ⅱ章 実践編 1 まず必要なものは「申立書」です。「申立書」は,破産手続申立で必要とされる書面の一つです。 記載すべき内容も決められており(破規2条1項,2項),申立人を特定する事項と裁判所に判断を求める内容を「申立ての趣旨」として,破産原因の有無などについては「申立ての理由」として記載します。多くの地方裁判所では,審査をスムーズに行うために,あらかじめ必要な事項を記載する箇所を設けている「定型書式」が用いられています。 申立人を特定する事項としては,① 氏名(旧姓で借入れがある場合は旧姓も必要)② 生年月日・年齢③ 住所(住民登録上の住所と異なる場所に住んでいる場合はその居所も必④ 連絡先(固定電話・携帯電話)です。 「申立ての趣旨」は,裁判所に判断を求める事項として,① 申立人につき破産手続を開始する。② 本件破産手続を廃止する。と定型的文言を記載します。 「申立ての理由」は,申立ての原因となる事項を記載します。自然人(個人)の破産手続開始申立(同時廃止)では,① 破産原因(支払不能)があること。② 破産財団を形成すべき財産がほとんどなく,手続費用にも足りない。となる事実を具体的に記載します。破産原因である支払不能については,現在の債務額を明確にして,それと比べて財産がないことを記載します。 各裁判所が用意している定型書式によっては,この他に参考事項を記載することもあります(巻末資料参照)。
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