小百合の父母は、弁護士を頼んで裁判をしてはどうか、費用なら心配はいらないと勧めた。友和との結婚が決まり、挙式の準備が始まってから友和の父親が難しい人であることが分かり、これまでも小百合が辛い思いをしてきていることは分かっていた。今回、小百合が戻って以降、友和から何の挨拶もないことで、友和への信頼もなくなり、暗に離婚を勧めるようになっていた。小百合も離婚もやむなしと考えるようになり、法①テラスに相談に訪れた。そこで悠人を引き取るには子の監護者指定、子の引渡しの調停という手続があることも分かったが、いきなりそうした手続を取ることで、仙一からどのような報復を受けるか怖さが強くて決心がつかなかった。弁護士の助言もあって、まずは悠人と会うことと離婚の話を進めるため、面②会交流と離婚の調停を申し立てることにした。第2章 調停委員会による調整事例╱ケース1 18
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