初、何度か滝山と組んで離婚調停を担当し、滝山の経験と調整力に心服している。滝山「藤田さん、おはようございます。ずいぶんお早いんですね」藤田「おはようございます、滝山さん。また、ご一緒させていただくことになりました。どうぞよろしくご滝山「確かにまだそういう考えの方も少なくありませんね。調停を利用される当事者はもちろんですが、そ藤田「よろしくお願いします。滝山「ほんとうに難しいことだと思います。夫婦間の紛争や離婚時の争いなどが解決し切れていないことも指導ください。実は、私は、面会交流事件を担当するのは初めてなんです。面会交流の考え方について先日の研修で調査官からいただいた面会交流調停のための手引きを読んでいますが、恥ずかしながら、現職で働いている頃は、面会交流という言葉さえ知りませんでした。研修や実際の調停で面会交流についてわずかずつ分かってきたつもりなのですが、まだ感覚的にはちょっと。別れて暮らす親は、そっと陰から見守る方が子どものためになるみたいな感覚もかつてはあったのですが。いやぁ、本当にお恥ずかしいのですが」の親御さん、未成年者のおじいちゃん、おばあちゃんはそういう方が多いようです。まだ、調停を始めるまで時間がありますから、手引きをおさらいしてみましょうか」手引きに書かれていることはたしかにその通りなのでしょうが、調停で激しく争う中で面会交流の意義を当事者に理解してもらうのは難しそうです」多いので、当事者は、自分たちの主張を通すことにやっきになったり、相手の主張を否定することに終始してしまいがちです。調停では、二人の争いとは切り離して、お子さんにとって何が最善かを考えてもらうこと、お子さんの視点に立ってお子さんのためにどうするのかを一緒に考えてもらうように働き29 5 海南家庭裁判所
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