12_実調面(右開き)
56/76

藤田「調停の進め方と流れについての説明は以上ですが、本件に即して二点補足して説明します。─藤田は冗長にならないよう気を付ける一方で早口にならないよう努めつつ、「調停の進め方と流れ」について説明した。まず、今回小百合さんから申し立てられている面⑧会交流という調停は、話し合いで合意に達せず不成立になると、新たな手続を取ることなく裁判所が結論を示す審判手続に移行します。審判では、面会交流をするかしないか、するとすればどのような頻度、方法が望ましいかの判断が示されます。ただし、養育費などの金額を決める事案に比べると、面会交流は当事者の合意で解決することが望ましいので、話合いによる合意を目指して調停を進めていきます。そのため、調停を進める中で審判に移行した後の裁判所の判断見通しを持てるような様々な調査なども行い、必要に応じて裁判所の考え方などについてお伝えすることがあるかと思います。二点目は、お子さんの利益や福祉を優先させるという点です。未成年のお子さんがおられる事案では、お子さんの気持ちや状況に配慮し、お子さんの幸せを第一に考える視点を持って調停を進めています。そのための具体的な方法の一つとして、「お子さんのためのガイダンス」というDVDを調停の待ち時間に別の部屋で視聴していただくようお願いしています。ご両親の不和や争いが子どもに与える影響やお子さんへの対応で気を付けるべきことなどを紹介した内容になっています。調停の早い段階で視聴していただき、お二方ともご自身の考えや気持ちだけではなく、お子さんの福祉を第一にこれからのお話合いに臨んでいただければと思いますので、ご理解をお願いいたします。ここまでのところでご質問はありませんか」      第2章 調停委員会による調整事例╱ケース1  36

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る