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Zoom u9家庭裁判所調査官 家庭裁判所調査官109p43  6 第1回調停期日〜当事者列席のもと手続説明を丁寧に行い,       双方から個別に事情を聴取する 家庭裁判所は,夫婦,親子,親族等の身分関係に基づく紛争や問題を家事審判や家事調停,人事訴訟などによって解決するほか,非行を犯した少年について処分を決定しますが,いずれも法律的な解決を図るだけではなく,事件の背後にある人間関係や環境を考慮した解決が求められます。そこで,家庭裁判所には,家庭裁判所の後見的・福祉的機能から,心理学,社会学,教育学,社会福祉学等の専門知識を有する家庭裁判所調査官が配置されています(裁判所法61条の2,家事法58条,59条等)。調査官は,家事調停事件等において,子どもの生活状況(監護状況)を調査したり,調停期日に出席して事件の解決のために,当事者の自主的解決能力を引き出すなどの調整的な役割を果たして合意形成に寄与しています。 家事係調査官の役割は,大きく3つあります。①手続選別,② 事実の調査(家事法58条,258条1項)・調整(家事法59条3項,258条1項),③ 立会い(家事法59条)です。 ①手続選別では,調査官が申立書,戸籍等の限られた情報から進行についての見立てを行い,調査官関与の必要性,調停進行の指針などについて,定型の書面で意見具申を行います。 ②立会いとは,調査官が調停に出席することを意味します。調査官は,裁判官からの命令を受けて調停に立会い,当事者の自主的解決能力を引き出すなどの調整的な役割を果たします。 ③事実の調査・調整では,調査官が調停外で,「 双方の主張整理」や「 子の意向(心情)調査」や「 子の監護状況調査」を実施し,その結果を調停に反映させ,合意形成を図るための支援などしています(詳細については,次頁の「調査事務の一覧表」を参考にしてください。)。

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