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第2 共同利益背反行為者に対する措置 本書においては,まず総論として,区分所有建物における共同利益背反行為の主体や行為類型,裁判外又は裁判上の措置の概略について説明した上で,区分所有法57条から同法60条までの実体法上の要件及び効果について概観します。そして,区分所有法57条から同法60条までの権利を行使する場合の手続面を整理するほか,訴え提起に先立つ民事保全の申立ての可否や,これら権利の行使が判決において認容された場合における強制執行の方法について説明します。 次いで各論として,専有部分における共同利益背反行為,共用部分における共同利益背反行為,そして管理費等の滞納と共同利益背反行為等について,実際の裁判例を踏まえながら,どのような行為が共同利益背反行為に該当するかについて個別に検討します。1 共同利益背反行為の主体 マンションのような区分所有建物における共同利益背反行為の主体は,区分所有法上,区分所有者と占有者が想定されています。⑴ 区分所有者 区分所有者は,建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し,区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはなりません(法6条1項)。⑵ 占有者等 区分所有法6条1項は,区分所有者以外の専有部分の占有者に対しても準用されているほか(法6条3項),占有者は,建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき,区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うものとされます(法46条2項)。4第 2共同利益背反行為者に対する措置

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