序序1 会社法の一部を改正する法律(平成26年法律第90号。以下「改正法」という。)及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第91号。以下「整備法」という。)が平成26年6月20日成立し,いずれも平成27年5月1日から施行されています。改正法は,会社法の施行後初めて行われた本格的な改正であり,改正点も多岐にわたっており,その中には,監査等委員会設置会社制度の創設や監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある旨が登記すべき事項とされるなど,商業登記実務にも大きく影響するものも含まれています。 また,近時,商業登記の真実性の確保等の観点から,登記申請の添付書面や登記事項に関する法令の改正が頻繁に行われています。 商業登記の真実性の確保の観点から改正された事項としては,①設立の登記又は取締役等の就任登記(再任を除く)の添付書面として,就任承諾書に記載された住所及び氏名が記載された本人確認証明書(住民票や運転免許証の写し)が求められ(商業登記規則61条7項),②登記所に印鑑を提出した代表取締役等の辞任届には,登記所届出印又は本人の実印の押印が求められ,添付書面として実印の印鑑証明書の添付が求められています(同条8項)。また,旧姓を使用している役員のために役員氏名欄に旧姓を併記することができるようにされました(商業登記規則81条の2)し,そのほか,③株主総会又は種類株主総会の決議を要する登記事項に係る登記申請書には,主要株主(議決権の数の割合の多い順に3分の2に達するまでの株主を指し,原則10名を上限とする)の氏名・住所・株式数等を証する書面(株主リスト)を添付しなければならないとされました(商業登記規則61条3項)。なお,併せて,登記簿の附属書類の閲覧申請の添付書面として,利害関係を証する書面が追加されています(商業登記規則21条3項)。 また,会社の設立手続等の簡素化・迅速化の観点からは,①代表取締役の全員が日本に住所を有しない場合にも内国株式会社の設立登記ができること
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