第1 監査等委員会設置会社制度の創設ています(会社法344条の2第3項,309条2項7号)。一方,監査等委員である取締役以外の取締役の解任については,通常の取締役の解任と同様に,株主総会の普通決議によって行うとされています(会社法339条1項,341条)。ただし,累積投票によって選任された取締役を解任する場合には,特別決議によらなければならないとされています(会社法309条2項7号,342条6項)。 なお,監査等委員である取締役は,取締役としての地位と監査等委員としての地位とが不可分であるため,監査等委員である取締役が,監査等委員のみを辞任し,取締役の地位に留まることはできないと解されています(坂本三郎・渡辺邦広「平成26年改正会社法の概要⑴」民事月報69巻10号19頁)。⑷ 監査等委員会設置会社の取締役の任期 ア 監査等委員である取締役の任期 監査等委員である取締役の任期は,選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとされ,かつ,定款・総会決議によってその任期の短縮を認めないこととされています(会社法332条4項・1項)。ただし,定款によって,任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として選任された監査等委員である取締役の任期を退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時までとすることを妨げないとされています(同条5項)。 イ 監査等委員である取締役以外の取締役の任期 監査等委員である取締役以外の取締役の任期は,選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとされました(会社法332条3項・1項)が,定款又は株主総会の決議によって,その任期を短縮することを妨げないとされています(同条1項ただし書)。 なお,株式会社が監査等委員会設置会社の定めを設定した場合には,取締役の任期は,当該定款の変更の効力が生じた時に満了するとされています(会社法332条7項1号)。また,監査等委員会設置会社が監査等委員会設置会社の定めを廃止した場合には,監査等委員である取締役及7
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