美容
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3 自由診療であること 「保険診療」とは,健康保険等の公的医療保険制度が適用される診療のことである。保険診療では,各疾患に応じて検査や治療内容等が細かく決められており,その制限内での治療等をしなければならない。患者は,医療費の一部負担をすることで診療を受けることができる。 一方,「自由診療」とは,公的医療保険制度の枠外の診療を受けることである。医療費は全額患者の自費負担となる。 一般的に,美容外科は,病気やケガをしたときの治療ではなく,日常生活に何ら支障がないのに受ける診療であるため,公的医療保険の適用外となり,自由診療となる。 自由診療は,保険診療と違って,診療内容に制限がないため,患者のニーズに応えて柔軟な医療を提供できる。反面,自由診療は,定型の診療内容がなく,他との比較が難しい場合には,競争が起こりにくい。保険診療と比べて,高額な医療費となることも多い。 保険診療では,各地方の厚生局・都道府県事務所(例えば,東京であれば,関東信越厚生局東京事務所)が監督官庁としての業務を行っているが,自由診療の場合は,価格設定や施術内容の適正さなど,保険診療で行われている監督が行われないというのも,大きな特徴の一つである。 なお,美容外科でも,症状によっては,全額保険適用になる場合や,一部保険適用になる場合もある(保険適用となる場合があるもの:眼瞼下垂手術,ワキガ手術,陥没乳頭形成術,包茎手術等)。6 苦情内容としては,販売方法や広告に問題のあるものや,医師が行う美容医療施術において,皮膚障害や熱傷など危害を受けたという苦情相談が寄せられているようである。2)第1章 総 論2)国民生活センターウェブサイト http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/biyo.html

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