美容
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ii美容医療の医学的知見の収集,裁判例の調査,東京地裁での3年に及ぶ集団訴訟,という形で,美容医療に関わることになった。そのような中,2017年秋,本書執筆の機会を頂いたのであった。 本書の構成は,第1章「美容をとりまくトラブルの背景と法規制」,第2章「施術別概要と裁判例」となっている。糸リフト被害の集団訴訟では,訴訟活動とともに,再発防止のために何が必要であるか,どんな法整備が必要であるかなどを,原告の方々と一緒に模索し,行政への働きかけも行ってきた。こうした経験が,第1章の執筆に当たって,役立っている。そして執筆中の平成30年6月,医療法施行規則が改正され,医療機関が作成するウェブサイトも医療法上の広告と認められることになった。集団訴訟の係属中に厚生労働省へ広告規制の要請行動をしたことが現実のものとなったのであった。 また,第2章では,美容医療に関する裁判例を網羅的に検索し,本文で紹介するとともに,本書末尾に,施術ごとに一覧化して添付した。どんな施術でトラブルが発生しているか,裁判所の判断はどうか,などの観点からも活用して頂ければと思っている。 本書が美容医療の相談を受ける弁護士,美容医療を受けた方,受けようとしている方,そして美容医療に携わる医療関係者にも手にとって頂いて,少しでも医療安全に役立つことができれば,幸いである。 また,集団訴訟での弁護団活動や本書の執筆において,日本医科大学名誉教授(前形成外科教授)の百束比古先生,公益社団法人日本美容医療協会元理事長の西山真一郎先生に,多大なご支援を頂いた。この場をお借りして心からの謝辞を申し上げる次第である。 最後に,本書の発刊に当たっては,日本加除出版株式会社の編集部の皆さまに,読者の目線からの助言,多数の判例の整理など,多くのサポートをして頂いた。厚くお礼を申し上げる。 平成30年11月はしがき末吉 宜子

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