民事執行及び民事保全制度における供託実務
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37369以下)を設定する契約も締結し,その土地に抵当権設定登記をしていた場合は,どうでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35《パターン事例Ⅰ─3》 海山銀行は,確定判決に基づき,青空さんの財産から3000万円を回収するため,執行機関に対し強制執行を申し立てました。しかし,確定判決後,青空さんは3000万円を既に返金していましたが,それでも,海山銀行が返済の事実はない旨,主張して強制執行の申立てを取り下げない場合,青空さんはどうしたらよいでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77⑵ 青空さんから土地の引渡しを受けるまでの担保として,山川さんが抵当権設定登記を備えていた場合はどうでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82⑵ 海山銀行が青空さんに対して有する貸金債権を2500万円とした場合に,海山銀行が,青空さんの工事請負代金債権3000万円のうち2500万円を差し押さえたとして,以下の場合,供託の手続はどのようになるでしょうか。 ① 森林さんが金2500万円を供託した場合《パターン事例Ⅰ─3.①》 青空さんは3000万円を既に返金していたため,請求異議の訴えを提起しましたが,当然には執行手続は停止しないといわれました。放っておくと,請求異議の判決までに執行手続が最後まで進んでしまい,請求異議の訴えを提起した意味がなくなるおそれがあります。どうすれば,執行手続を停止し,請求異議の訴えの判決までもっていくことができるのでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79《パターン事例Ⅰ─4》 海山銀行が,青空さん名義の甲土地に対して,確定判決に基づき強制執行を申し立て差し押さえました。しかし,実際には,その土地は山川豊治という人の所有でした。山川さんは所有の土地を担保に,銀行からの融資を受けるため,登記事項証明書を確認して,はじめて,知らない間に名義を青空さん名義とされ,しかも差押えがされていることを知りました。山川さんは,どうすればよいでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81《パターン事例Ⅰ─4.①》《パターン事例Ⅰ─4》の場合において⑴ もともとは山川さんの所有の土地ではなく,海山銀行の差押えより前に, 山川さんが青空さんからその土地の譲渡を受けて,所有権移転登記をしていなかった場合はどうでしょうか。《パターン事例Ⅰ─4.②》 青空さんの所有している土地(以下「甲土地」という。)と思っていたものは,実は山川さん所有の土地で,土地を管理している不動産会社が委任状等を偽造し,山川さんに無断で青空さんに売却し,青空さん名義に所有権移転登記がされたものでした。そこで,山川さんが,青空さんに対して所有権抹消登記の請求の訴えを起こそうと考えていました。しかし,青空さんが,その土地を確定判決前に,第三者に譲渡して所有権移転登記をするのを防ぐには,どうすればよいでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・168《パターン事例Ⅰ─5》 判決の確定後も,青空さんから返済する様子がまったく見受けられないので,海山銀行は,青空さんが森林緑子さんに対して有している,工事請負代金請求権(3000万円)を差し押さえる旨を東京地方裁判所に申し立て,同申立てに係る債権差押命令書が森林さんに送達されました。 その後,森林さんは,青空さんから工事請負代金債務の全額(3000万円)についての支払を求められました。この場合,森林さんは青空さんの申出に応じて支払うべきなのでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・301《パターン事例Ⅰ─5.①》⑴ 《パターン事例Ⅰ─5》において,森林さんは,民事執行法156条1項に基づき,差押債権額の全額に当たる3000万円を供託することにした場合,供託の手続はどのようになるでしょうか。事例目次

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