民事執行及び民事保全制度における供託実務
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第Ⅲ編・第1章・第3・3⑵(給与債権に強制執行による差押えと滞納処分による差押えが競合し,強制執行による差押えが先行する場合)ア 滞納処分による差押えの金額が大きい場合第Ⅲ編・第2章・第2・3⑺イ(質権が設定されている金銭債権に対して強制執行による差押えがなされた場合) 入居者Aに対する敷金返還債務700万円(弁済期:平成27年7月5日)に関して,債権仮差押命令,確定日付のある質権設定通知書,債権差押命令等が相次いで送達されました。この場合において供託は可能でしょうか。可能とした場合,根拠法令,被供託者の表記はどのようになりますか。なお,供託を検討している現時点(平成28年4月1日)において,質権者からの供託請求はなされていません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・436第Ⅳ編・第1章・第1・1(供託成立後の権利変動)例 1)借地人のAは,地主Bの地代の受領拒否を原因として供託したとします。供託後,Aの債権者である甲が,Aの取戻請求権を差押えました。地主Bは供託金の還付を受けることができるでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・442第Ⅳ編・第1章・第1・2(供託の受諾)例 2)借地人のAは,地主Bの地代の受領拒否を原因として供託しましたが,供託後,地主Bは賃料債権を乙に譲渡しました。借地人Aは,不受諾を原因として,供託金の取戻しを受けることができるでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・444第Ⅳ編・第1章・第2・1(供託物払渡請求権の譲渡)例 3)債務者AがBに対して100万円の金銭債務を負い,Aが100万円を金銭供託しました。第Ⅳ編・第2章・第1・2(供託物払渡請求権に対する強制執行)例 1)Aは,Bから10万円を借りていましたが,Bが返済金の受領を拒否していることから,Bの受領拒否を原因として10万円を供託しました。ところが,その後,Bに8万円を貸していた乙が,Bの還付請求権のうち8万円を差し押さえました。供託所は乙からの取立てに応じることができますか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46044事例目次 当社の従業員であるAの給与債権に,強制執行による差押えに次いで,滞納処分による差押えが相次いで送達された場合,どのような供託をすればよいですか。また,供託金額はいくらですか。なお,Aの給与の総支給額は50万円(通勤手当除く),法定控除額は10万円です。また,Aには扶養家族が1名います。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・407イ 滞納処分による差押えの金額が少ない場合 当社の従業員であるAの給与債権に,強制執行による差押えに次いで,滞納処分による差押えが相次いで送達された場合,どのような供託をすればよいですか。また,供託金額はいくらになりますか。なお,Aの給与の総支給額は50万円(通勤手当除く),法定控除額は10万円です。また,Aには扶養家族が4名います。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・408そこで,Aは供託金の取戻請求権のうち50万円をCに譲渡した後に,Bから100万円の還付請求がされた場合,これに応じることができるでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・445例 4)Aが供託金還付請求権をB及びCに対して二重譲渡し,Aから供託所に対して,譲渡通知が送達された。供託所は,いずれの払渡請求に応ずるべきでしょうか(確定日付・到達日付は下記のとおりです。)。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・447例 2)Aは,Bから10万円を借りていましたが,Bが返済金の受領を拒否していることから,Bの受領拒否を原因として10万円を供託しました。ところが,その後,Bに3万円を貸していた乙が,Bの還付請求権の内3万円を差し押さえ,また,Cに4万円を貸していた丙が,同請求権の内4万円を差し押さえました。供託所は乙及び丙からの取立てに応じることができますか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・460例 3)差押債権者が供託所に民事執行法155条1項に基づき直接取立てに来ましたが,請

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