8第Ⅰ編 各制度の概要す。答弁書を出さず,第1回期日に欠席した場合には,すぐに敗訴するおそれがあります。 「訴訟係属」の効果としては,裁判所に訴訟係属が生じている場合には,当事者は同一の事件について重ねて裁判所に審判を求めることができないとする二重訴訟の禁止の効力が生じます(民訴142)。(④「第1回口頭弁論期日」「訴訟の審理」) 民事訴訟の口頭弁論とは,原告と被告が裁判官の前でお互いの主張を述べることですが,実際にはお互いの代理人である弁護士が出廷して裁判が行われます。 書記官が事件番号と当事者の名前を読み上げるいわゆる「呼上げ」(訴訟規則62)がされ,口頭弁論が開始されます。 裁判官が「準備書面」の主張についての質問をしたり,原告・被告ともに自分の主張をより強固にするための「証拠品」を裁判所に提出(民訴180)したり,また,証人に証言(民訴190)をしてもらったりすることができます。 その後,各当事者に,次回までに相手方が出した書面に対する反論及び証拠の提出などを求め,出席した当事者の意見を聞き次回期日を決めます。 次回期日までの間隔は,約1か月程度であることが多いようです。(⑤「弁論期日・弁論準備期日」) 以下,期日では,自分の主張をするときには,あらかじめ準備書面を提出することになります。 原告が準備書面を提出し,被告がそれに対する反論の準備書面を提出するという形で何回かの期日を開きます。口頭弁論は1回で終わる場合もあれば,複雑な訴えで何度も開かれる場合もあります。(⑥「証拠調べ期日(証人尋問・当事者本人尋問)」) 争点が絞られ,書証もあらかた提出されると,証人尋問と本人尋問が行われます。 証人尋問とは,原告・被告以外の第三者の尋問です。 本人尋問とは,原告と被告が自ら尋問を受けることです。
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