民事執行及び民事保全制度における供託実務
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青空広大(債務者)金3000万円の工事請負代金請求権(債権者)森林緑子(債務者)【基本事例Ⅰ】 さいたま市中央区在住の青空広大さんは建設業を営んでいますが,経済不況の影響で,建材の仕入れ価格が値上がりし,資金繰りに窮していたため,海山銀行株式会社(所在地:東京都港区)からやむを得ず,金3000万円を借り入れました(金銭消費貸借契約:民587)。海山銀行が債権者,青空さんが債務者となります。 なお,青空さんは,海山銀行からの借入金を活用し,森林緑子さん(東京都台東区在住)の所有の土地に建物を建築し,森林さんに対してその工事請負代金請求権(金3000万円)を有しています。32第Ⅰ編 各制度の概要金銭消費貸借契約海山銀行金3000万円の金銭債権(債権者)第 2 民事執行法が規定する民事執行の4つの形態 1 強制執行(民執22~174) 強制執行とは,執行裁判所又は執行官が,国家権力を用いて債権者のために,判決その他の債務名義に表示された私法上の給付請求権を,強制的に実現するための手続です。 なお,一般的に強制執行を求めるものを債権者(執行債権者又は差押債権者),強制執行を受ける者を債務者(執行債務者又は差押債務者)といいます。また,差し押さえるべき債権の債務者を第三債務者といい,強制執行の原因となる債権(債務名義となる債権)を執行債権と,執行の対象である差押えに係る債権を被差押債権といいます。強制執行の手続において,執行債権者と執行債務者が誰であるかは,執行文(65頁参照)の付与された債務名義(54頁参照)に誰を債権者と債務者として表示しているかにより確定します。 次の事例で考えてみましょう。

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