民事執行及び民事保全制度における供託実務
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①金銭消費貸借契約②支払期限が到来 海山銀行…金3000万円請求青空さん…返済しない(債務者)(債権者)(執行債務者)③海山銀行は貸金返還請求の訴え 海山銀行(原告)・青空さん(被告)さいたま地方裁判所青空広大金3000万円の工事請負代金請求権森林緑子(債務者)(第三債務者)⑥工事請負代金請求権 の差押えも可34        裁判が確定するまでの期間計算の起算点はいつからか?第Ⅰ編 各制度の概要海山銀行(債権者)(執行債権者)確定判決に基づき強制執行の申立⑤④海山銀行勝訴 の確定判決執行裁判所(さいたま地方裁判所)債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(民執144Ⅰ)     判決に対し,当事者が上訴(控訴,上告,上告受理の申立て)等をすることなく,2週間以内の控訴期間(民訴285)が経過したときは,その期間満了時に確定する(同116Ⅰ)。 起算点は,被告に判決の正本が届いた日の翌日から計算する。これは,到達主義の原則(民97)と初日不参入の原則(同140)によるものである(民訴95)。 ちなみに,正本と原本の違いは,正本は法律に規定がある場合に,権限のある者によって原本に基づき作成される。原本は法律の規定で一定の場所に保存しなければならないが,その効力を他の場所で発揮させる必要がある場合に,外部に対して原本と同一の効力を持つものとして交付される。強制執行においては,執行文の付与された債務名義正本でなければ執行力を有しない(民執25)とされている。なお,謄本は,原本の内容を同一の文字・符号を完全に謄写した書面をいう。1

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